アイソトープ検査(核医学検査)のご案内

アイソトープ検査(核医学検査)とは

概要

  • 微量の放射線を出すRI(Radio Isotope:放射性同位元素)を用いた医薬品を体内に投与し、目的の臓器や組織に集まった放射性医薬品から放出される放射線(ガンマ線)を専用のカメラで検出し、画像化する検査です。
  • 投与された放射性医薬品の分布や集積量、経時的変化の情報から、臓器や組織の形態だけでなく、機能を評価することができます。
  • 検査に使用される放射性同位元素は半減期が短く、投与する量も極わずかになります。
  • 速やかに体外に排泄されますので、被ばくに対する心配はありません。
  • 小児の場合、体重に合わせて投与量を調整します。

検査全般

  • 静脈注射により放射性医薬品を投与します。(一部例外あり)
  • 投与直後に撮像を開始する検査、数時間後や数日後に撮像する検査、一日に2回撮像する検査などがあります。
  • 食事や薬等の制限が必要な場合もありますので、予約の際に主治医にご確認ください。
  • ほとんどの場合、検査用の台にあおむけで寝ていただきます。動かないようにお願いします。
  • カメラがお体の直ぐ近くまで来ますが、特に心配ありません。
  • いつでも近くに担当者がいますので、何かありましたらお声に出して教えてください。

当院の特徴

  • 認知症診断に有用な核医学検査を提供しています。
  • 専門の医師が画像診断をすることで、常に質の高い検査を提供しています。

注意事項

  • 検査に用いる放射性医薬品は各患者さん専用になります。
  • 検査のキャンセル・変更は、前診療日の14時までに 必ずご連絡ください。薬剤は予約当日しか使用できません。
  • 妊娠中や妊娠の可能性のある方、授乳中の方は、予約前に主治医にお申し出ください。

各種検査説明

<骨シンチ>

  • がんの骨転移、外傷などによる小さな骨折、炎症などX線検査では分かりにくい骨の状態をみる検査です。
  • 全身の骨を一度に観察することができます。
  • 薬を投与してから2~3時間後に撮像するため、検査全体で4時間程度かかります。

<脳血流シンチ>

  • 脳の各部位における血流状態や働きをみる検査になります。
  • 主に脳の形態をみるCTやMRI検査と異なり、脳の機能を評価することができます。
  • 脳神経細胞の機能低下や脱落が原因となる認知症や精神疾患、脳血管障害の評価などに有効です。
  • 安静状態を保つために、検査中は目隠しをさせていただきます。
  • 検査時間は1時間程度になります。

<ドパミントランスポーターシンチ(ダットスキャン)>

  • 神経伝達物質であるドパミンは、筋肉運動の調節を指令する役割を果たしています。
  • ドパミン神経にあるドパミントランスポーター(ドパミンを再取り込みし量を調整する働き)の変化をとらえ画像化することで、ドパミン神経の状態を確認する検査です。
  • レビー小体型認知症やパーキンソン病では、ドパミン神経の減少により、運動の調節がうまくいかなくなり、動きに障害があらわれます。アルツハイマー型認知症では変化を生じないので、鑑別診断に役立ちます。
  • 薬にエタノールを5%含有しているため、当日は自動車等の運転をお控えください。
  • 薬を投与してから4時間後に撮像を行いますので、検査全体で5時間程度かかります。

<心筋交感神経機能シンチ>

  • 心臓を支配している交感神経の状態をみる検査になります。
  • 神経変性疾患に伴う自律神経障害、心疾患に伴う局所交感神経障害などの評価に用いられます。
  • レビー小体型認知症やパーキンソン病では、心臓交感神経が徐々に障害され継時的にMIBG(心筋交感機能と相関)の集積低下を示します。アルツハイマー型認知症では正常のため、鑑別診断に役立ちます。
  • 心筋集積を阻害する薬剤(三環系抗うつ剤、レセルピン等)を服用中の場合は注意が必要ですので、主治医にご相談ください。
  • 検査全体で3時間程度かかります。

<心筋血流シンチ>

  • 心臓の筋肉(心筋)に栄養を運ぶ血液の流れをみる検査になります。
  • 安静状態では分かりにくい異常をみつけるために、薬剤や運動で心臓に負担をかけて行う場合もあります。
  • 食事等が制限されますので、詳しくは予約の際に主治医にお尋ねください。
  • 両腕を挙げた姿勢になるため、肩に痛みがある方などは担当者にご相談ください。
  • 多くの場合が時間を空けて2回撮像しますので、検査全体で5時間程度かかります。

▲TOP