日本口腔外科学会学術集会が開催されました


2017.11月号


 木枯らし1号が吹きました。気分と天気の良い時に自転車で出勤しますが、私の髪も北風になびく季節になりました。連携医の先生方におかれましても風邪などひかれませんようご自愛ください。
 10月20-22日、台風が近づくなか、京都で日本口腔外科学会学術集会が開催されました。海外からの参加を含めて4500人超の参加があったとか。大きな学会で開催可能な都市も限られてしまい、学会の合間を縫って地方都市をぶらぶら・・という楽しみは少々損なわれますが、演題数も多くとても勉強になる学術集会です。今回は、当科からも院内での周術期リハビリ/口腔機能管理の連携に関する取り組み(「STRONG」)について発表し、座長からも『理想的なスタイル』と評価をいただきました。今後も、院内外問わずシームレスな多職種連携の構築に取り組んで参ります。
 学会の演題は顎変形症、良悪性腫瘍、唇顎口蓋裂、などなど多岐に渡りますが、近年話題になっている骨吸収抑制剤関連顎骨壊死(Anti-resorptive agent-Related Osteonecrosis of the Jaw:ARONJ)に関する発表が多くみられました。昨年、ARONJ診療の指針となるポジションペーパーが4年ぶりに改訂されました。治療法として外科治療(腐骨除去・壊死骨掻爬・顎切除)の適応範囲が広がったこともあり、今回も「Stage2からstage3に進行させない」ことを目的とした外科的治療が有効とした演題がありました。
 投与歴のある患者さんの抜歯に際しての休薬の要否、休薬期間などについて統一の見解が得られるまではまだまだ時間がかかりそうですが、当科としては高気圧酸素療法の有効性も検討しながら症例ごとに慎重に対応していきたいと思います。

参考文献)
1)骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016 顎骨壊死検討委員会(日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会、日本歯科放射線学会、日本歯周病学会、日本口腔外科学会、日本臨床口腔病理学会)
2)口腔外科ハンドマニュアル’17 口腔外科学会編 クインテッセンス出版

※手術枠が「木曜日→木曜日・金曜日」と増えました。またまだ多くの手術に対応可能です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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